建築大学校で就職活動をはじめるとき、当たり前のように福知山の建設関係を探しました。自分が育ったこのまちが好きなんです。ここで働くんだと、ずっと小さなころから自然と考えていました。「高見組」の名前は以前から知っていましたし、特に福知山市内の建設業では「まず高見組」といわれる存在でしたので、求人情報を見かけて応募しました。
入社後は学校での座学と現場との違いに最初は戸惑いましたね。まず知らないことばが飛び交っているんです。現場ならではの専門用語というのでしょうか。そうした些細なことも含めて、とにかくわからないことは何でも確認して回りました。幸い社内の先輩方も社外の皆さんも、必ず質問にはきちんと答えてくださるんです。これは福知山の土地柄なのか、現場の雰囲気づくりの成果なのかわかりませんが、誰一人いやな顔をされる方はいなかったです。本当に感謝しています。
入社後数年経って多少経験は増えましたが、自分はまだまだ。現場では気を張っていることが多いですね。安心して現場を任せてもらえる一人前の工事管理者になることが当面の目標です。お世話になった社内外の方々に、「お前もやれるようになったな」と認めていただけるようになることで恩返ししたいと考えています。そして、このまちで自分の携わった建物が、地域の皆さまのお役に立っている様子を胸を張って見ていたいと思っています。
いま、建設業界はどこも人材不足が深刻化してます。その背景には、東日本大震災以降の復興ニーズの高まりや公共事業投資の復活、インフラの老朽化対策の推進、都市部などを中心にマンション建設の増加などがあるといわれています。しかし、「仕事が増えたから人が足りない」という単純な図式で状況を眺めていては、この業界に未来はありません。
私たちは組織変革に着手するとともに、数年前から人材の確保・育成の重要性をあらためて認識し、本気でこの課題に取り組んでいます。培ってきた知識やノウハウはもちろん、仕事の楽しさと社会で役立つ喜びをきちんと若い世代に伝えていこう。これからも長く継承・発展していける高見組を、新しい仲間と一緒につくっていこう、ということです。つまり、変革期を迎えた110年の老舗企業が本気で未来を見つめ、人を育てているのです。
「なるほどおもしろい」「やりがいがありそうだ」、まっすぐにそう感じてくれる方がいれば、ぜひお会いしたいと考えています。